"大好き"の選択を

はい。2期6話感想です。
前回ちょっとはっちゃけすぎたので、今回は真面目に書こうと思います。

テーマとしては、中川菜々と優木せつ菜についてです。

第6話では、せつ菜が自身の正体を公表するという、衝撃的な展開がありました。
その経緯について、自分なりに振り返っていきたいと思います。

①中川菜々

結論から書かせていただくと、6話のメインは、生徒会長としての菜々でもスクールアイドルとしてのせつ菜ではないと思っています。

"中川菜々"という一人の少女の物語です。

ここでいう"中川菜々" は、生徒会長でもあり、スクールアイドルでもある彼女そのものです。

冒頭にて、優木せつ菜の正体を明かすのを嫌がっているシーンがあり、その後の場面で正体を明かさない理由について、彼女は屋上で以下のように語っています。

生徒会長とスクールアイドルって全然違うものですから、
どちらも大好きでやりたい私としては、このままの方がいいと思うんです。

また、しずくや歩夢に対して、以下のようにも話しています。

せつ菜と菜々、二つの大好きを持ってはいますが、私は結局一人なわけで。

これこそが"中川菜々"になります。

そして、この発言から分かるように、スクールアイドルと生徒会長を完全に別の存在としてとらえて、ここまで振舞ってきています。
それゆえ、それぞれ別個の存在として、自身の出来ることをやろうとします。

ただ、その両方の存在を知っているのはごく一部なわけで。
生徒会長として支えてくれる生徒会は、彼女が優木せつ菜であることを知りません
そして、優木せつ菜を応援してくれる彼女のファンや生徒は、彼女が生徒会長であることを知りません

もちろん、彼女自身の支えになってくれているのは間違いないと思います。
でも、この中に全てをさらけ出せる人間はいないため、彼女はできるだけ自分の力で何とかしようとします。

では、"中川菜々"を支えてくれる存在は?

②"中川菜々"を支えてくれる存在

まずは同好会について。

彼女にとって同好会の存在は、生徒会長菜々とスクールアイドルせつ菜の両方を知っている数少ない存在です。
ですが、今回彼女は同好会メンバーにも頼ろうとはしません。

その理由は、合同文化祭が生徒会長、そしてスクールアイドルとして彼女がやりたいことだからです。

あくまで同好会メンバーはせつ菜の仲間であり、文化祭の運営や準備には巻き込むべきではないと考えているのだと思います。
それぞれに対しての責任感の強さゆえ、生徒会長として彼女たちを頼ろうとはしません。

では、同好会メンバーはどう考えているか?

歩夢が彼女に対して言ったセリフ。

始まったのなら貫くのみ。でしょ。

1期で彼女から言われたセリフをそっくりそのまま返します。
1期のときは、侑ちゃん以外にも、同好会メンバーや応援してくれるファンのみんなといった、大切なものが増えた歩夢に対して、"中川菜々"として背中を押しています。

今回はその逆です。
生徒会長として、スクールアイドルとして、大好きなものをやり切ろうとする"中川菜々"という少女を、歩夢は応援します。

同好会メンバーはあくまで、スクールアイドル優木せつ菜の味方というだけではないんです。
"中川菜々"の味方なんですよ。

ここで彼女自身がそれに気づきます。
自分自身そのものを応援してくれる人がいたことに。

 

次に栞子について。
偶然とは言え、栞子には正体がばれてしまいました。
その際、菜々に対してこのような言葉をかけます。

私は会長が、学園のためにたくさん貢献されてきたことも、
せつ菜さんがスクールアイドルとして人気を獲得していることも知っています。
どちらにも適性があって、皆さんを幸せに出来ている。
その邪魔をする理由などありません。

このときの彼女、本当に嬉しそうです。
それもそのはず、自分自身を肯定してくれた発言です。
この後の文化祭の準備では、間違いなく栞子が支えになってくれていたと思います。

最後に、もう一人忘れてはいけない人がいます。
副会長です。

もちろん彼女自身は生徒会長がせつ菜であることを知りません。
ただ、彼女は誰よりもそばで生徒会長を支えてきました。
そしてせつ菜にとって最も近くにいたファンです。
また、1期13話の時の最後のステージの立役者でもありますね。
知らずのうちに、菜々として実現したいことを誰よりも傍で応援してくれていた存在なんです。

菜々にとって、正体を明かす最後の一押しが、副会長だったら僕は嬉しいです。

③"大好き"の選択

正体を明かす前夜、母親に対して自身がスクールアイドル優木せつ菜であることを伝えます。
間違いなく勇気のいることですが、彼女には支えてくれる人たちがいます。
そして何より、母親に"菜々"自身を応援してほしかったのかなと。

私自身も、今回の出来事から、自分を支えてくれる人たちとの繋がりを再認識することができました。
皆さんの大好きな気持ち、その全部が私を助けてくれて、
それを感じて、感謝するたびに、もう今の私は"大好き"を隠す必要はないんだって気づくことができました。
だから、今ここで皆さんに、生徒会長の私と一緒に、スクールアイドルの私も紹介しようと思います。
スクールアイドル同好会の、優木せつ菜です!

ここでいう支えてくれる人たちは、

  • せつ菜を応援してくれるファンの存在
  • 生徒会長として支えてくれる生徒会の存在
  • 中川菜々自身を応援してくれる存在

このすべてだと思います。

そして、「"大好き"を隠す必要がない」についてですが、
前述のように、彼女自身、生徒会長もスクールアイドルも大好きなんです。
今まではそれぞれを個別の"大好き"として取り組んできました。
ここでいう"大好き"は、それらすべてを含めた中川菜々自身の"大好き"のことを指していると思います。
彼女は、その"大好き"を選択しました。

そして、彼女は正体を明かしてステージに立ちます。
自身の"大好き"を表現するために。

 

「Infinity! Our wings!!」についてここで少しだけ触れておきます。
タイトルでビックリマークの位置が1つと2つに分かれていること、一文字目の「!」だけ大文字で後ろの「!!」が小文字であることがわかります。

wings(翼)なので2つなのもあると思いますし、実際のフルの歌詞見てみないと分かりませんが、第6話として見れば、一つ目の「!」がせつ菜自身の"大好き"、後ろの「!!」が生徒会長とスクールアイドルにも思えてきました。

さすがにちょっと無理やり感もありますが...

 

最後に、冒頭の歌詞引用を振り返りたいと思います。

ためらわないで まっすぐに
「大好き!」を届けに行こう

Cheer for you!!からの引用ですが、
歌詞の順序としては逆になっています。
また、楽曲では、

「大好き!」を届けに行こうよ

のように相手に対しての表現になっていますが、
ここでは、主観表現になっています。

「ためらわないでまっすぐに」
が背中を押した歩夢であり、それを受けて、
「「大好き!」を届けに行こう」
せつ菜になります。

完璧すぎてため息がでました。

 

今回居ても立っても居られなくなって勢いで書いたので、いろいろと読みづらい部分が多かったと思いますが、読んでくださった方ありがとうございました🙇‍♂